住宅購入カウンセラーの真山虎次郎です。
2020年からコロナの影響もあってYouTube(ユーチューブ)を視聴する人が急激に増えました。
それに伴ってたくさんの人がYouTubeに参入してきました。
最近、住宅購入を検討中の私の相談者様から
「YouTubeの内容はどこまで信憑性があるのでしょうか?」
という質問をよくされます。
『家づくり』についていろいろ知りたい!
絶対に後悔や失敗のないように注文住宅を建てたい!
という思いで日々YouTubeを見まくっている人にこの質問が多いように感じます。
ということで、今回は
住宅系YouTuber(ユーチューバー)の言うことを100%真に受けてはならない!
ということについて解説していきます。
※今回の記事は私のYouTubeチャンネルで配信した内容を簡潔に綴ったものです。
>>動画の視聴はこちらから
YouTubeやSNSなど…情報過多で情報迷子に?!
現在ではインターネットも完全に生活の一部となりました。
なので、何か調べたいことがあればスマホ片手に検索すれば即座に欲しい情報が手に入ります。
しかし…逆に情報が多すぎて
『情報迷子』になって正しい選択ができない
という人が多いのも事実です。
すぐに検索して調べるのはよいのですが、その検索結果には何らかの『裏』がある可能性も想定しなくてはなりません。なぜなら
あなたが検索をする時のキーワードや検索意図
を想定し、それによって利益を得られるモノたちが自分たちに都合のよい方向に誘導する記事を検索結果の上位に表示させるからです。
どういうことか分からない人も多いと思うので次章で一例を解説します。
ネット上の情報が中立公正ではない理由
あくまでも一つの例ですが…あなたが
「太陽光発電を載せたほうがよいのか?メリットやデメリットはどうなんだろう?」
と思ったとします。なのでグーグルの検索窓に
『太陽光発電 メリットデメリット』
というキーワードを入力して検索したとします。実際に私が入力してみました。
何かを検索した場合、ほとんどの人は1ページ目に出てくる検索結果の記事のみで判断します。
(実際は何ページにも渡って検索結果は続いています。)
今回の写真は1位から3位まで映っていますが、それらは太陽光発電が売れることで利益を得ている会社の記事となっています。
4位以降10位までに関してもほとんど同じような
『太陽光発電が売れることで利益を得られる会社』
の記事が検査結果に表示されています。さらに検索結果の1ページ目の最初と最後には
このように『広告』と小さく記載してありますが…グーグルにお金を払って1ページ目の検索結果に意図的に掲載されるように施策した会社の記事が表示されています。
ちなみに…もちろんお金を払ってまで検索1ページ目に表示させている会社ですからこの会社も
『太陽光発電が売れることで利益を得ている会社』
になっています。これが悪いというわけではありませんがインターネット検索をするとこういった検索結果になるということは理解しておかないといけません。
上位表示される記事は、ほとんどが個人ではなく企業の書いた記事ですから間違った情報やウソが記載されている可能性は低いです。
しかしお金を払ったりSEO(検索で上位表示されるための緻密な施策)を施してまで検索1ページ目に載せてくるわけですから
『太陽光発電 メリットデメリット』
というキーワードに対する記載になってはいますが、結果的に太陽光発電を採用したくないと思わせるような内容の記事はほとんどありません。
ようするに間違っていないしウソも言っていないが中立で公正な情報とは言い難いということです。
【補足】私は基本的に太陽光発電推奨派です。あくまでも『検索の実態』の参考例として記載しました。
先立つものはお金と品質の担保
今度はYouTubeでの例をあげてみます。
現在の住宅系YouTube(ユーチューブ)に関しては
『スーパー工務店の社長が発信するチャンネル』
が多大な影響力と人気を誇っています。私自身もYouTuberなので参考としていろいろな住宅系ユーチューブを視聴して研究しています。
しかし見れば見るほど住宅業界の実際を知り尽くしている私は違和感を覚えます。なぜなら
メリットばかり言ってデメリットをほとんど言わないからです。
太陽光・高気密高断熱・全館空調・造作家具・自然素材…
あげていったらキリがないですが一般的な住宅という観点から言えば、
これらは全てオプションです
なのでイチイチお金がかかります。
特に近年、住宅系ユーチューブの主題で多いのが『高気密高断熱』です。
しかし…スーパー工務店の社長が動画の題材にしている超高性能仕様は大手ハウスメーカーを含む住宅会社のほとんどが同じようにはできません。
もちろん『高気密高断熱』をはじめとする住宅の高性能化は重要ですし私も条件が全て同じであれば当然のことながら、より高い性能を追求したいところです。
しかしこれらを実現するには
『優秀な職人の確保・技術と経験・現場監督のスキル』
といった品質を担保すべき重要な要素が全てそろっていなくてはなりません。
しかもこれらを完璧かつ性能をより追求した場合、
青天井でお金がかかります。
ようするに超高性能住宅を実現させたい場合、
お金と品質の担保(総合的施工力)
が最も重要であり、そもそも90%以上の住宅会社は実現できていないのが現実です。
なぜ工務店の社長はメリットばかり話してデメリットを言わないのか
なぜスーパー工務店の社長はYouTubeでイイことばかり言ってデメリットを言わないのでしょうか?
これにはいろいろな理由がありますが今回はあえて一つだけ言うと
『デメリットを言うと自分の首が締まる』
からです。メリットやプラスに押し進めていく話しをする分には問題ないのですが…
少しでも後ろ向きなことを言うとカリスマ性が薄れてしまう
といったイメージ戦略的なところもあります。YouTubeにおいては
『特出したトガッた内容の動画』でないと視聴回数が伸びない
ということも大きな理由です。
以前TV番組で『劇的ビフォーアフター』という番組がありましたが…もしもそれが
『一般的でよくある平凡なリフォーム工事の番組』
だったら全く面白くないですよね?
現在は大工・電気・設備ほか…職人不足が深刻な問題になっています。
工務店やハウスメーカーは数多く受注しても実際に工事する優秀な職人がいないという悩みを慢性的に抱えています。
私自身も現在は建設会社(工務店)に在籍していますが
『職人が確保できない…職人のレベルが低く一定の精度を担保できる自信がない…』
といった理由でお客様の工事を受注できないこともあります。しかし
こういった本音を言えるのは私が顔出しをせず実際に在籍している会社を公表していないからです。
スーパー工務店の社長の場合は全て情報開示をしています。
しかも数多くの人から支持を得てインフルエンサー的な地位を築いています。そのため
『今は職人不足で…しかも高齢化してるしレベルも低いから高性能住宅を手掛けるのは実際すごく大変なんだ!』
なんてことを言ったあかつきには…
『なにを言ってんだ?職人がいないってそもそも論だろ!工務店なのに職人不足って終わってるだろ…』
となって一気にそのカリスマ性が失われ…
さらにアンチが湧いて大炎上する可能性もあります。
例えるなら、武士(侍)が、
『実はオレの刀ってすごく切れ味悪いんだよ』
と、みんなに公表しまくっているのと同じくらい愚かなことです。
そういった理由もあって住宅系YouTuber(スーパー工務店社長)はデメリットや後ろ向きなことは決して言えないのです。
正しくネット上の情報を見極める力を身に着ける
私はClubhouseやTwitterのスペースで住宅系YouTuberと接する機会も多いです。
スーパー工務店の発信するYouTubeの脚本や動画の構成・トーク術など…私もいろいろ勉強させてもらっています。
彼らは決して間違ったことは言っていないし動画の構成からトーク術に至るまで全て完璧です。
しかし彼らは顔出しで全ての情報を晒した上で情報発信をしています。
なので自社の社員も含めて背負うモノが大きいわけです。
そのためどうしてもポジショントークになってしまう傾向があります。
前章で記載した『職人不足で悩んでる』なんてことは絶対に言えません。
情報化社会の現代において、
スマホで検索した情報を鵜呑みにしても正しい知識は得られない
ということはしっかりと理解しておいてください。
今まで記載したとおり、情報を出す側の意図もくみ取って
「なぜこの会社はこんな有益な情報を出してくれてるんだろう?」
というように客観的に考えてみることも重要です。
情報発信している側にはどんな利益があって何を言うと不利になるのか?
『職人不足は問題だがそれを工務店の社長は絶対に言えない』
といった裏側の意図もくみ取ることが大切です。
単純に検索結果上位の記事だけを疑いもなく読み続ければ…
結果的にその記事を書いた販売したい側の思惑にハマって全てを欲しくなってしまいます。
そうなったらお金がいくらあっても足りません…
『自分たちの家づくりのコンセプトを明確化して正しく情報を取捨選択できる力を身に着ける』
ようにしましょう。
※1.29追記:真山虎次郎からのアドバイス
いきなり住宅展示場に行くのはオススメしません。
最初は無料の資料請求などで事前に勉強することが大切です。
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